あたも技術ブログ

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CG 背景イラスト 夏の海

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これからの季節、イラストに欠かせない夏の海を描いてみます。

 

使用ソフト:PhotoShop,SAI

ペンタブ:INTUOS PTH-851

 

今回作成したpsdファイルは下記URLに配置してあります。

https://drive.google.com/drive/folders/0B9dZ314mf8WoTGpYZVBqZmtzVUk?usp=sharing

再配布以外でしたら個人用途に限りご自由にお使いください。

報告も、配布元の表示も不要です。

 

1.PhotoShopで新規ファイルを作成

今回は横2000×縦1200でファイルを作成しました。

 

 

2.海と空のベースを作成

「グラデーションツール」を使い空と海の下地を描画します。

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今回グラデーションに設定する色の値は、それぞれ下記の画像の通りです。

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1.新規レイヤーを作成 → 海面レイヤーと命名します

2.海面レイヤーに長方形選択ツールとグラデーションツールを使って海面を描く

3.続いて背景レイヤーを選択 → グラデーションツールを使い空を描く

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 3.砂浜のベースを作成

ボケ足の強いブラシツールを使って手前側に砂浜を描きます。

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1.最上面に新規レイヤーを作成 → 砂浜レイヤーと命名

2.手前側に大ざっぱに砂浜の下地を描いていきます

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ここまで描いたら一旦ファイルを保存し、PhotoShopを終了します。(保存形式はpsdを選択してください)

 

 

4.海面に明暗を描画

保存したファイルをSAIで開き、「水彩筆」を使って海面に明暗をつけます。

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「水彩筆」の設定は下記の通りです。(今回使う水彩ブラシはこれのみ)

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1.海面レイヤーを選択し、「水彩筆」を使って海面に明暗を描き込んでいきます。奥にいくほど暗く細かく、手前ほど明るく大きくなるように、ホライズンラインに沿って筆を動かします。飽くまで遠景なので細かく描く必要はありません。大雑把に描きます。

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5.波打ち際の作成

波打ち際に泡を描きます。この工程で一気に海っぽくなります。

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1.砂浜レイヤーを選択 → 不当明度保護にチェックをいれる

2.「水彩筆」を使い海面との境界付近を暗く塗ります

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3.砂浜レイヤーの上に新規レイヤーを作成 → 泡レイヤーと命名

4.泡レイヤーに水彩ブラシを使い白色(R255 G255 B255)で泡を描きこみます。波打ち際にいくほど泡の密度を高くします。

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5.泡レイヤーの下に新規レイヤーを作成 → 泡影レイヤーと命名

6.泡影レイヤーにうっすらと泡の陰を落とします。

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6.砂浜の描き込み

砂浜に陰影をつけます。非常に地味な工程ですが、これをやっておくと完成度があがります。

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1.砂浜レイヤーを選択 → 砂浜に濃い部分と淡い部分を描きこみます。細かく描く必要はまったく無く、表面をなでる程度でかまいません。

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ここで一旦ファイルを保存し、SAIを終了します。(保存形式は先ほどと同じpsd形式を選択してください)

 

 

7.砂テクスチャの作成

PhotoShopの「フィルター」を使って砂のテクスチャを作成します。

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PhotoShopを立ち上げ、横2000pixel × 縦2000pixelで新規ファイルを作成します。

[フィルター] → [ノイズを加える] → [グレースケールノイズ]でざらついたテクスチャを作成します。 

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これを[選択範囲] → [全てを選択]し、[編集] → [コピー]でコピーしておきます。 

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8.砂テクスチャの貼り付けと合成

先ほど作成したテクスチャを砂浜に貼り付けます。

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1.PhotoShopで先ほどまで描いていた海のファイルを展開。

2.砂浜レイヤーの上に砂テクスチャを貼り付けます。

3.[変形] → [遠近法]を使いテクスチャを変形。

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4.砂浜レイヤーと「クリッピングパス」を作成します。続いてレイヤーの合成モードを「焼き込みカラー」にし、透明度を調整(ここでは20%に設定)したうえで下の砂浜レイヤーと結合します。

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ここで再びファイルを保存し、PhotoShopを終了します。(保存形式はpsdを選択してください)

 

 

9.雲の描画

空に雲を描きます。今回は夏の海という設定なので夏らしく積乱雲を描いてみました。今回は海がメインなので簡単に。雲の描き方はまた別記事で紹介させてください。

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1.SAIを開いて、背景レイヤーの上に新規レイヤーを作成 → 雲レイヤーと命名

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2.「筆」と「水彩筆」を使って雲のベースとなる形を描きます。

雲というと、ついついボケ足の強いブラシを使ってしまいがちですが、積乱雲の場合、ボカさずに輪郭を取っておいて、一部分のみをボカすことでメリハリがでます。

3.明るい部分と暗い部分を描き足し、それぞれ境界の一部分を周囲の色となじませていきます。

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10.仕上げ

海と空に諧調変化に差をつけて、遠近感を強調します。下記の手順で三つのレイヤーを作成し、それぞれに「エアブラシ」を使って色をおいていきます。

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1.背景レイヤーの上に新規レイヤーの作成 → 諧調変化と命名

空の手前側を濃く鮮やかにします。

2.雲レイヤーの下に新規レイヤーの作成 → 雲なじませと命名

空と雲の間を明るくして、両者をなじませます。

3.海面レイヤーの上にに新規レイヤーの作成 → 手前光レイヤーと命名

レイヤー合成モードを「発光」にし、海面の手前に光を入れて明るくします。

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何となくさみしかったので近景に石垣と緑を描きました。近景を描くと奥行き感が出る気がします。

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完成。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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